田坂広志著「目に見えない資本主義」を読みました

日本政策学校の講義「資本主義の行方」で田坂氏のお話を聴く機会があり、その考え方がとても素晴らしいと思ったので、著書の「目に見えない資本主義」を買って読みました。

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以前から、なんで右肩上がりの成長を続けなければいけないのか、そもそもずーーと成長し続けるって有り得ないのでは?

なんで、そんなに株主の顔色を見なければならないの?

企業が儲けを出すのは当然だけど、そんなに利益を追い求めるので良いの?

営業だとコミッションになったりするけど、本当に銭のためにそんなに頑張れるの?

今まで、こんな疑問をなんとなく頭に思い浮かべていました

 

田坂氏の本は難しい経済学の本という訳ではなく、どちらかというと思想とか哲学に近いような話。ご本人も弁証法による哲学によって、この考え方にたどり着いたと言われています。

 

お偉い経済学者や財務省とかの優秀な役人さん、銀行の方々が世界中にいるのに、サブプライムローン危機、欧州の財政破綻なんかを防げなかったり、日本の経済がボロボロなのに有効な手立てが打ち出せていなくて、従来の手法と変わらない事をして何も変わっていないようにしか見えてませんよね

田坂氏によると、これらの方々が使っている経済学は貨幣の価値前提にしたものですが、経済のあり方が変わってきているのに、経済学の根底が貨幣至上主義になっているのから解き明かせないのだと言われています。

いかにも正しそうな理論が解き明かせないって事は、確かに前提条件が変わってきているのかも知れませんね。

貨幣のような目に見える形でしか語られなかった経済が今まさに変わろうとしている

 

IT化されてきている世の中では、情報は瞬時に多数の人に伝わっていく

個々が多様な行動を取るようになり

グローバル化が進み、経済そのものがとても複雑になった

複雑になってしまったものを単一の理論とかで解き明かす事も制御することも出来ない

政府や日銀の介入とかでパッと変わったり、効果が出ることがなくなってしまった

 

複雑系になってしまったものを外部から強制的に制御することは出来ないので、大切な事は、個々の行動ルールになる

個々の行動ルールとは、行動規範とか倫理

企業はその企業としての「使命」を全うすること、その使命に共感した従業員が働きがいを持ち働いていくこと

僕はそんな時代に働いた事はないのですが、昔の日本の企業はそんな使命を持っていたそうです。

もちろん、単なる懐古主義ではなく、昔の日本の悪い部分、盲目的な徒弟制度みたいなものは廃して、西洋的な考え方なども取り入れた新しい日本的な働き方を模索していくのが大切だと訴えかけられています。

 

例えば、従来だったら品質が良くて、少しでも安いものが売れるのが当たり前でしたが、段々と、少し高くても環境に優しい製品が売れるようになってきてますよね

少しづつですが、変わってきている兆しがあるのかも知れませんね。

 

うーん、まだなんか田坂氏の話が咀嚼しきれていないので、上手に説明出来ませんね。

ご興味のある方は是非田坂氏の本を読むか、ご本人の話を聞いて欲しいなと思います。

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ちなみに、今は「官邸から見た原発事故の真実」を読んでいます

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