ジェフ・ジャービス著「パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ」を読んでTwitterを再開することにしました
ソーシャルメディアをこれからどうやって使っていこうかちょっと悩んでいた僕にとってはとてもタイムリーな1冊でとても興味深い本で、
「パブリック」という言葉を聞くと、「公共」と訳して、「行政」の事なんかを思い浮かべてしまいますが、本書はインターネットが何を変えたのか、またこれから何を変えるポテンシャルがあるのかについて書かれています。
今回の記事は、書評というより、この本を読むことでネット利用に関して、また少し自分のスタンスが変わった気がするので、そんな事を連々と書いてみようかと思います。
僕は、インターネットに対して、マイナスイメージを持たれている方も結構多いと思っていて
例えば、学校の裏サイト、Hな画像・動画、誹謗中傷などなど、色々ダークサイドもありますよね
ブログ、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアを使い、自分のことをパブリックに出していく事に関して、なんで自分の事をパブリックに出していくのか分からないと思う方、嫌悪感を持たれたりする方も多い
「プライバシーが危ないから気をつけろ」
「子供にはインターネットは危険だから、安全に使える環境を作らなければならない」
こんな感じの意見をよく目にします。
プライバシーに関して過剰反応している方が結構いらっしゃって、僕は以前からこのような方々をプライバシーモンスターって勝手に命名してたりしてます
プライバシーってそもそも何なのかに対して、明確な定義はなく
秘密にしたいプライバシーが何なのかに関しても、文化圏などでもかなり異なります。
例えば、ノルウエーとフィンランドでは国民の収入と税額が公開されているそうです。
ドイツのサウナでは男女混浴で素っ裸で入るそうです。
ノルウェー、フィンランド、ドイツの例は日本人としては、恥ずかしい事、隠したいこと、秘密にしたいことですよね?
著者のジェフ・ジャービスは基本的には何でもソーシャルメディアで公開しているので、、自分が露出狂だと思われているのではないか?と感じることもあるそうです。
多分、僕のこともそのように感じられている方も多いかも知れませんね。
自分のこと、どんな事を思っているのか、どこにいるのか、何を食べたのか、どんな本を読んでいるのか、こんな事をパブリックなインターネットにシェアするのは危険、頭がおかしいと思われる方、きっといますよね。
シェアしている人は単なる露出狂なんでしょうかね?
実はシェアしてみて、始めてわかるメリットが結構あるのです。
例えば、レストランにチェックインする。
でも、チェックイン情報を公開すると、近くにいた友達が久々に会いたいからちょっと顔を出そうなんて思ってくれるかも知れません。
まあ、一度も実際に顔を合わせたことのないTwitter上での友達が、こんにちはっ
僕はかなりブログ、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアで自分の内面だったり、どこに行ったのかとか色々と公開していますが、今のところ、怖い思いとか、危険な目にあったことはありません。
逆にブログを書き続けていたからこそ起きた楽しい出来事、Twitterをしていたから出会えた人たち、Facebookをしていたから出会えた古い友人などのようなメリットの方が圧倒的に多いです。
インターネットはとても新しい技術で、日本で多くの方が使い始めたのは、1995年ぐらい、Windows 95が出た頃だったかと思います。
新しいものに対しては、かならずそれを否定的な目でしかみれない方がいて、
また新しい技術による変革についていけないトラディショナルなビジネスが必ず残り、それが抵抗勢力、既得権益として、新しいものを潰しにかかります。
例えば、デジタル化、インターネット化についていけていない、既存の音楽業界、出版業界など古いものを古いまま残そうと戦っているように思えます。
グーテンベルクの活版印刷により、高価で数が作れなかった本が、圧倒的に安い価格で大量に作られるようになった話はみなさんご存知だと思いますが、
活版印刷に関しても、古い抵抗勢力が活版印刷を否定し、攻撃してきたそうです。
でも、活版印刷の価値が認められ、多くの方が本を読めるようになり、知識が民衆に共有されるようになっていき、知識が一部の賢者、金持ちの独占物ではなくなりました。
また活版印刷から新聞が生まれ、ラジオ、テレビを新しいメディアが誕生し、古いメディアが常に新しいメディアを否定し潰そうとしますが、新しいメディアが生き残り、私達の生活を変えて行きました。
新しい技術による変革が常に正しいものであるかはわかりませんが、結局変わっていってしまっています。
だから、新しい技術・メディアを否定し、抵抗し、今まで通りになんとかやっていこうと思うのではなく、新しいものを受け入れて、どうやって生き延びていくのか、新しいものにシフトしていくように試行錯誤しなければならないのではないでしょうか?
今年で45歳になった僕の世代では、物心がついた時からスイッチを入れればテレビがみれるのが当たり前でしたが、
今の子供たちは生まれた時からインターネットがあるのが当たり前
下手したら、赤ちゃんがiPadを使っていたりするほど
彼らデジタルネイティブな世代は、インターネットがあって当たり前の世代
最近、急速に勢力を伸ばしつつあるソーシャルメディア
ソーシャルメディアをちゃんと使ったことのない大人には理解できない事だと思いますが
デジタルネイティブな子供たちにとっては、使って当たり前の、日常になっているのではないでしょうか?
これからは使って当たり前のコミュニケーション手段となっていくのではないかと思います。
ソーシャルメディアを使ったコミュニケーションでは自分の情報をシェアしていくことが普通で、シェアすることにより様々なメリットが生まれます。
ソーシャルメディアに不慣れな大人が考えるようなリスク、プライバシー問題、犯罪に巻き込まれるような事がシェアすることが当たり前になった社会では起きるのか、
インターネットという新しい技術により、今まさに社会が変わり始めようとしているのではないか
昔は良かったという懐古主義に囚われる事なく、新しいものは積極的に試してみて、世の中の流れに鈍感にならないようにし続けていきたいと改めて思いました。
今ソーシャルメディアを積極的に使っている方にも、インターネットが怖いと感じるような方にも是非読んで考えてもらいたい一冊でした。
実は、しばらくTwitterの利用を停止していました。
一旦、Twitterと距離をおいて、自分がどうTwitterを使っていくのかしばらく考えようと思ったところに本書に出会いました。
本書を読んでいて、やはり僕の中ではソーシャルメディアを使わないという選択肢はあり得ないと思い、Twitterを再開することにしますが、その使い方は今までのものとは少しづつ変えていこうと思っています。
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