『偏差値37なのに就職率9割の大学』を読んでみて、今どきの就活にビックリしました。
書店をブラブラしていて、面白そうだったので手にとった本が『偏差値37なのに就職率9割の大学』、チラッと立ち読みしてみたら、かなり面白そうだったので購入してみました。
【20年前の僕の就活】
僕は学部時代はなんか働くってどんな事か分からないし、なんか嫌だったんで大学院になんとなく進んでしまった超モラトリアム
修士の2年生になり就活しようとすると、バブルが弾けてしまい
大手企業に就職したいって人は大学の推薦をもらっていても内定がもらえないこともあるって感じの就職難スタートの年に就活をしました。
なんとなく大手企業に行きたくないと思っていて、ベンチャーっぽいところや、中小企業のようなところも行って、確か10社程度訪問して、4社ぐらいに内定をもらいました。
当時は10社でも大学の仲間内では多い方だったかも知れませんね。
最近は就活が大変って話を良く聞きますが、自分が企業で採用を担当している訳でもないし、自分の子どもたちの就活はもうちょっと先の話であまり実感がないのが正直なところです。
それでも多少大学とかとのお付き合いもあったりはするんで、学生さん達と話す機会なんかもゼロではないんですけどね。
【就職率の数字のトリック】
ニュースなんかで、大卒の就職率が93%程度みたいな数字で語られていると、実はそんなに大変じゃないんじゃないの?って思ってましたが、本書を読んでビックリ
この就職率は大卒就職希望者を母数にとったもので、母数を大卒者数に変えると、今年の春に大学を卒業した人の中で就職できた人は63.9%なんだそうです。
就職しなかった卒業生のうち、大学院などへの進学をしていない人が15.5%、8万6千人もいるんだそうです。
雇用の安定していない非正規職を含めると、12万8千人が安定した職業に就いていないとのことです。
親的には大学入ったら一安心、後は学費や生活費を払っておいて、勝手に就職してもらって独り立ちしてもらえば良いやって感じがしてましたが、どうやらそうじゃないっぽいぞ
就活戦線に非常事態発令中だぞ、これは
【大学って就職予備校なの?】
ただし、僕は大学ってもっと学問を追求するところであっても良いと思っているので、最近の大学の就職予備校化にはあまり賛成出来ないとも思っています。
賢い人たち、やる気のある人達がもっとアカデミックに頑張る場が大学であって、就職予備校ではあるべきではないのではないかと...
なので、研究機関+研究者養成機関としての大学と、会社に入り即戦力になる人を育てるビジネススクールって2つに方向に別れたら良いんじゃないかなって思いますが、日本にはそんなビジネススクールって殆どないはずなので、大学がその機能を持つしかないのでしょうね。
【金沢星稜大学の就活が変わったわけ】
本書に出てくる偏差値37の金沢星稜大学の場合は、就職率を算出する母数を卒業生にしても就職率は90%を超えているそうです。
本書ではどうやって学生の就職率を上げていったのか、どんな学生を入学させていったのかなどが描かれていて、その手口はどれももっともな事でした。
まあ、ある意味当たり前の事を、しっかりと戦略を立てて実行していっただけなのかも知れませんが、それが出来ないのが他の大学なんでしょうね。
著者は元リクルートの社員で、金沢星稜大学に入られて改革されました。
外部からちゃんとした人を入れて、ちゃんとした活動をさせた大学の幹部も偉かったんだろうな。
単に外部から取るだけ取って、その人が力を発揮できる環境を作らないケースも良く聞きますからね。そういう組織は単にポーズとして外部から人を取ってるんだろうね。
【僕ら親へのメッセージ】
本書の巻末に僕ら親へのメッセージが掲載されていましたので、抜粋させてもらいます。
1)就活には金がかかる
リクルートスーツから交通費などなど入れていくと、100万円は覚悟すること
2)アルバイトさせない
就活に専念させるために、内定がとれるまでアルバイトをさせない
3)コネの話をしない
コネがあるなんて話をすると、子どもたちはそれに頼ってしまって真面目に就活しなくなる。
4)安易に公務員試験を受けろと言わない
大卒がうける公務員試験はちゃんと勉強しないと決して受かることがない難しい試験で、おまけに超激戦区。安易な気持ちで適当に親から公務員試験なんて言わない方が吉
5)家から通える会社にしてと言わない
東京に住んでるならいざしらず、地方都市に住んでいたら、家から通える企業の数はたかが知れています。家から通えるって条件にしてしまうと、応募できる会社が減り、選択肢がなくなってしまいます。
6)就職情報を共有し、共感する
社会人としての先輩として適度の距離を保って寄り添う態度が必要。
息子が高校1年なんで、大学に入ってくれれば後は楽って思ってましたが、どうやらそんな感じではアカンらしいですよ...
平易な言葉で書かれていて読みやすいので、子供を持つ親は目を通しておいて良い一冊だと思います。
本書だと大企業だと良いっぽく書かれていますが、本当にそうなのかな?ってちょっと思ってます。
大企業だと確かに賃金とか高いですが、就職する時大きな会社とか、流行りの産業って本当のその先も良い会社なのかとか、伸び続ける産業なのかというと、決してそんな事はないはず。
大抵の花型産業って何十年後には廃れてますからね
だから、僕が学生さんと話す時は、やりたい業種や職種が見つけられたら、そういう方面で就職先を探した方が良いじゃないかな?って話すようにしてます。
偉そうに言ってますけど、僕は学生のときにやりたいことなんて見つけられなかったんですが(笑
まあ、自分が出来なかったらからこそ、若い人たちには託したいって事でね
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