「申し訳ない。御社をつぶしたのは私です。」が非常に面白い本でした。
久々に読んだカレン・フェラン著のビジネス書「申し訳ない。御社をつぶしたのは私です。」が、とても面白かったので久々に書評というか感想を書いちゃいます。
本著のタイトル「申し訳ない。御社をつぶしたのは私です。」は、日本の編集者か翻訳家が上手につけたタイトルなんだろうなと思ったら、原題も「I'm sorry. I broke your company.」となっていて、ある意味ビックリ
結構直訳だったんだね~
大手のコンサルティング会社で30年間渡り歩いたコンサルタントの書いた本で、今までコンサルタントが提唱してきた、様々な手法の過ちを赤裸々に語ったものです。
僕は学校を出て、某外資系企業に20年以上勤務しているのですが、いかにもコンサルタントが持ち込みそうな様々な米国式の経営手法、従業員トレーニングなんかを受けたりしてきましたが、それらになんか違和感を感じ続けていたんですよね。
ビジネスを数値化、指標化することは弊害になる!
なんでも数値化して、それをトラッキングしようとしますよね?目標達成度と、目標チャレンジとか色々な名称で呼ばれている奴です
個人とか、部署単位で数値目標を立てますが、それがビジネスの本質を現していないことも多いですし、各部署単位で相反する目標を立てますから、それぞれがその目標を達成しようとすると、他の部門の仕事を無視して、結局、組織全体での目標を達成出来ないっておかしな結果を産んでしまう。
なんとかダッシュボードとかいって、会社のビジネスを数値化してひと目で分かるようにするなんて試みが何度も行われていますが、それって本当に役に立ったんか?
管理・評価に時間かけすぎ!
複雑な業務管理、人事評価に時間をかけて、部下と話す時間すら持てず、お客さんと話したり、本来ビジネスに必要なことがおろそかになるって無意味な事態が発生する。
インセンティブ・コミッション報酬は逆効果
社員は、業界平均よりやや上の固定給を最も喜び、特別手当、株などの付加的な報酬は、知識労働者にはほとんど効果はみられないという研究結果が出ているんだそうです。
結局は「ヒト」とその関わり
結局、ビジネスは人がやっていて、人と人との関わりで伸びたり縮んだりしていきます。
社員の向上、社員間、グループ間の健全な交流、相手先との交流が改善されていけばビジネスは自然に伸びていくんじゃないでしょうかね?
一見正しそうなビジネス理論に頼りたくなる経営者の気持ちも分からなくもないけど、そんなものに時間と金をかけるなら、従業員と対話する時間を増やしたり、現場を見に行ったり、お客さんと話す時間を増やした方がよっぽどビジネスが伸びるって事。
経営者・管理者に読んで欲しい
本著は、アメリカの事例ばかりで、日本の企業や組織で働かれている方々にはちょっとピンと来ない部分がありそうに思えました。
僕はずーっと米国系外資に努めていますから、ピンときまくりですが
日本人で、コンサルの仕事をされている方に本著のような内容で、日本版を書いて欲しいなって思います。
少々アメリカンな内容ですが、全ての経営者や管理職の人に読んで欲しい良著だと思いますよ。
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まだ読んでないのですが、南場智子 (著)不格好経営が似たような内容らしいので、こちらも近いうちに読んでみようかと思います。
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