社員に不当なノルマを課すブラック企業たち:樫田秀樹著「自爆営業」その恐るべき実態と対策を読みました。
樫田秀樹著『自爆営業 (ポプラ新書)』を読んで、社販とか営業ノルマ達成のために社員が自腹で自社製品を購入する自爆営業の実態を知り、かなり怖くなりました。
日本郵便の実態
年賀状やかもめ~るに販売ノルマを課していて、正社員だけでなく、正社員になろうと頑張っている契約社員にまでそれは及んでいました。
支店単位、支局単位に厳しいノルマを与え、それが達成できないと、本部から大目玉を喰らうので、当然の如くそれは下々まで波及していく。
何百枚、何千枚という年賀状を自腹で購入し、当然それを自分で裁くのは無理なので、金券ショップに持ち込み、個人的な無駄な支出を強いられているそうです。
管理職になれば、ノルマ数は膨れ上がり、ものすごい数を売らないといけないらしい...
そもそも管理職が自らやっちゃうので、下の人にそれを強いるのに多分なんの抵抗感もないんでしょうね
もちろん、本社の広報からの公式コメントは、自爆営業は認めていないそうだし、金券ショップへの持ち込みもコンプライアンス部がチェックしているそうだけどね
また、残業をつけさせない、サービス残業を強いるような行為なんかも行われているそうです。
日本中で行われている自爆営業
本著では日本郵便の自爆営業に関することが多く語られていますが、もちろん、自爆営業はそれだけではありません。
株式会社ターベルモーノ(築地野口屋 2011年倒産)、元置き薬屋で、牛乳食品や健康食品の配達や在宅介護をしているN社、 トラック運送業界での運転手の自腹弁済、景品卸会社、生命保険会社、テレビ制作会社、コンビニ、パチンコ店、アパレルなどなど多種多様な業界・業種で自腹営業が行われているのがこの国の実態だそうです。
僕の経験
幸い、僕が学校を出てから20年以上務めている某外資系企業では、自腹営業を強いられるような事は一切ありません。
しかし、うちの会社ではないところでは、僕もその現場を実は見ていたりします。
使う当てもないのに、自社製品・自社サービスを自ら大量に購入・契約している管理職、自分がやっているからそれを部下に強いるのにもなんの抵抗感もない様をみていました。
あの人たちって、それが普通のことだと思っているんですよね....
社販について
社員に市価より安く購入する機会を与え、欲しい人が買えるとか、実際に自社商品を体験してもらう、家族や親戚、友達に良かったら普通より安くできるからこの機会に使ってみてよ?ってオススメするのは決して悪くないと思います。
そもそも自社製品をちゃんと使ったことすらないのに、それを人に売りに行ってる営業とかも一杯いるしね
でもね、それを売上数として見込みを立てて、部署単位でノルマ化したり、各社員にノルマを割り振ったりしてはいけないと思うんですよ
あと、立場の弱い取引先に押し付けるってのもナシだと思っています。
そんな営業しか出来ない奴らはやめてしまえ!
自爆営業と戦うために
みんながやっていることを、たった一人で拒否するのは難しいですよね。
実際に僕がそうなったらちゃんと断れるのか?って自問自答すると、うーん、場合によってはやっちゃうかも知れません...
本著では、組合(ユニオン)に加入されることをオススメしていました。
非正規雇用だったり、お勤めの会社に組合がなかったりする場合もあるでしょうが、社外労働組合なんてものもあるんだそうです。
なんとなく、僕は組合って今の日本ではもう不要な無駄なものな気がしていましたが、それは単に僕が良い会社に勤められていたからだけのようで、まだまだ労働組合には存在意義があり、それを必要としている方が沢山いらっしゃるのでしょうね。
本著お勧めの社外労働組合
東京東部労働組合(東部労組)
- 住所:東京都葛飾区青戸3-33-3 野々村ビル1階
- TEL: 03-3604-5983
- http://www.rodosodan.org/toburoso/
プレカリアートユニオン
- 住所:東京都渋谷区代々木4-29-4西新宿ミノシマビル2F
ユニオン運動センター内 プレカリアートユニオン - TEL:03-6276-1024
- http://www.precariat-union.or.jp/
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