日本政策学校第二回目講義 作家佐野眞一氏「日本人の精神と日本近代化の検証」を受けた感想
日本政策学校の第二回目の講義は作家佐野眞一氏を講師と迎え「日本人の精神と日本近代化の検証」というタイトルで行われました。
佐野氏がジャーナリストもしくは作家としてこだわられているのはいち早く現場に入り、その状況を自分の目で見て感じる事
阪神淡路大震災、9.11同時多発テロ、3.11東日本大震災など現地に赴き自分の目で見て来られたそうです。
作家にも、政治家にとっても、「言葉」はとても大切で、自分の目でみて、現地の人と自分で話して、自分の体で体験してからこそ紡ぎ出せる「言葉」があり、それが共感や感動を産み出し、伝わる言葉になる言葉にならない絶句するような体験をし、その後に胸を切り出して生み出されていくような思いをして「言葉」を作らねばならない。
佐野氏が言われた訳ではないですが、政治家の方がよく視察に行ったりしてますよね。今までは、なんか無駄な事してやがるなと思っていました。
陳情とか聞いているようだけど、本当にそれって陳情を聞いて、それを解決するために行動したりしているのだろうか?と疑っていました。
陳情で生の意見を聞くこと、現地を見て、現地の人から話を聞くこと、政治家が伝わる「言葉」を紡ぎだすため、それを政策なり法律なりに反映させていくために必要なプロセスなのではないかと、今までとはちょっと考え方の軌道修正をしても良いかもと思えるようになりました。
僕も4月中旬に被災地に入りましたが、本当に絶句しただけで、そこから言葉を産み出す事は出来ませんでした。
4/15に初めて仙台の被災地に行った時のブログ記事「仙台で避難所にパソコンの設置をしてきました」ですが、本当に何も書いていないですね
ここから搾り出すようにして言葉を出せるのがジャーナリストや政治家なんでしょうね
ところで、佐野氏の話でどうしても賛同できないのがインターネットに関すること彼はインターネットに対してかなり否定的で、検索していきなり答えにたどり着くのが嫌いで、図書館であったり人と話したりという過程を飛ばしてしまうからだそうです。
でも、インターネットの世界でも、基本的には影響力を持っている人はリアルで何らかの行動を起こしていたり、リアルでの実体験があるからこそ伝わっているのであり、単に仮想空間を回遊しているだけの人は強い影響力なんか持っていないと思うのですよね。
仮に検索でいきなり答に辿りついたとしても、それが真実なのかを見抜くのは大変ですし、情報が大量に瞬時に集まる時代になったからこそ、今までとは違った手法を磨いていく必要があると思います。
インターネットやITは万能ツールだなんて思ってませんが、今までになかった強力なツールであることは間違いないと思うのですがね
11/30追記
日本政策学校一期生のブログに講義のメモ『【日本政策学校 Day2振り返り】「津波と原発」著者 佐野眞一講師』が公開されましたので、リンクを追加しました。
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
日本の近代化とは、高度成長とは何だったか?三陸大津波と福島原発事故が炙り出す、日本人の精神。東日本大震災にノンフィクション界の巨人が挑む、書下ろし四〇〇枚。東日本大震災ルポの決定版。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1部 日本人と大津波(重みも深みもない言葉/志津川病院の中に入って/おかまバーの名物ママの消息/壊滅した三陸の漁業/熱も声もない死の街 ほか)/第2部 原発街道を往く(福島原発の罪と罰/原発前夜ー原子力の父・正力松太郎/なぜ「フクシマ」に原発は建設されたか)
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
佐野眞一(サノシンイチ)1947年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者、業界紙勤務を経てノンフィクション作家となる。1997年、民俗学者宮本常一と渋沢敬三の生涯を描いた『旅する巨人』(文藝春秋)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年、『甘粕正彦乱心の曠野』(新潮社)で第31回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)